ガクトコインは売れない記念コインにゃすか?SPINDLE公式文書 (法務意見書)を読み解く

2018年1月21日トピックス



Gacktコインが売れないっていう記事があったけどホントなの?の巻

こんな記事(【悲報】GACKTコイン(SPINDLE)は買ったが最後、売却できないことが判明した)があったので読んでみたけど、ちょっと言い過ぎかなあと思ったので、管理人の見解をまとめてみました。

頭からGACKTコインを信用するわけじゃないけど、あんまり悪く言い過ぎるのもどうかなあと思う次第(もちろん投資は個人で考えて自己責任で行って頂きたく、この記事で損害が出ても管理人は責任取りかねますので悪しからず)。



Gacktコイン=売れない説とは

冒頭に上げた、大元の記事の中で書かれているのが、

GACKTコインは上場する予定が無いようで仮にGACKTコインを購入したとしてもそれを売りさばくことはできません。一生塩漬け資産です。

ということ。

それじゃもう「ただの記念コインじゃん」って話になります。

その根拠となっているのが、SPINDLEの公式文書 (法務意見書)。

SPINDLE の法的位置付けと資金決済法の解釈に関して

GACKTコインの法務意見書_1

GACKTコインの法務意見書_2

GACKTコインの法務意見書_3

※画像をクリックすると拡大します。

この文書を元に、下記のように「GACKTコインは買ったが最後売却できない」と書かれています。

「仮想通貨交換業の登録が無いじゃないか」に対して、「その必要は無い。だってSPINDLEはそもそも譲渡できない仕組みなんだから」って答えてるんです。

そもそも上場はしないし、譲渡も制限してるから規制の対象外だって答えてるんです。

つまりですね、ガクトコインは、

①譲渡ができない仕組みである
②譲渡自体を制限している

から、「一生塩漬け資産だ」と。

しかしそれは言い過ぎじゃない?というのが、こちらの見解(現時点では)。

そもそも「譲渡ができない仕組みである」なら「譲渡自体を制限する」必要もありませしね。この時点で軽い自己矛盾に陥っているのでは?

という辺りを考察する回です。



問題のポイント

今回の問題を解きほぐすにあたり、何が焦点になるかと言うと、SPDが「2号通貨に当たるかどうか」という点です。2号通貨に当たると、それを扱う業者には免許が必要になります。今回の当事者は免許を持ってないので、SPDが2号通貨ならば違法になります。しかしSPDが2号通貨でないなら、免許は不要ですので、違法にはなりません。

つまり直接的には、SPDが2号通貨であるかないかが重要な点です。

今回のブログ記事では「SPDは2号通貨ではない」と説明する公式文書の中の一部を引用してSPDは売れないと言っているわけですが、2号通貨でない事と、売れない事とはイコールではありませんので、そこは注意が必要です。

①SPDは2号通貨か、否か?
②SPDは売れるか、否か?

は、別々の問題です。①の説明をした公式文書に②に関わる記載があったとは言え、文書はあくまで①のための説明ですから、それで鬼の首を取ったように「②が証明された」と言うのは、独善的過ぎるかなあと思います。

1号通貨と2号通貨とは?

ついでなので、1号通貨と2号通貨の話もしておきます。

ざっくり言うと、1号通貨というのは「不特定多数の者を相手に購入や売却ができ、日本円や外国通貨等と交換ができる」ものを言います。

2号通貨は、1号通貨の条件で書かれた条件のうり、後半部分が異なるタイプ=不特定多数の者を相手に購入や売却ができるけど、円や外国通貨との交換はできない」、というものです。

要は、仮想通貨に加えて円やドルとも売買できるものが一号通貨で、仮想通貨同士でしか売買できないものが二号通貨。そして、どちらも規定の範囲内で自由に売買できるもの、という区分けになります。

逆に言えば、どこかに「自由に売買できない」という制約が入れば、それは1号通貨でも2号通貨でもない、金融庁の管轄に与しない「草コイン」となるわけです。

国から見れば、1号通貨は自分たちのテリトリー(円)に直接的に関わって来るもの、2号通貨は間接的に影響があるもの。それ以外は関係ないから、そっちで勝手にやっててね、的な区分けでしょうか。

ただ仮想通貨はまだ新しい存在なので、ここで言う「不特定多数を相手に自由に売買できる」が何をどこまで指すか、解釈にブレがあるというのが現状のようです。

ガクトコインは、譲渡ができない仕組みなの?

そもそもで言えば「仮想通貨は譲渡=取引が出来なくてはならない」という決まりがあるわけではありません。取引所の審査に通って上場されるまでは、どんなコインでも公開の場での取引は実現できません。どんなコインも当初は発行元から直接買う以外にないわけです。

ただ発行する時、将来的に譲渡を可能にするのかどうか明らかにしておく必要があるのは当然です。

そこを公式文書ではどう書いてあるかというと、元のPDFが画像でテキストが抜けないので抜粋になりますが、

2号通貨かどうかの判断は「発行者による制限なく1号通貨と交換できるかどうか」がポイントですよね?その点、SPDは制限を掛けているので、2号通貨じゃありませんよ。

と書いてあります。

もう少し詳しく言うと、

金融庁のガイドラインでは2号通貨の判定基準が「発行者による制限なく、1号通貨との交換を行うことが出来るか否か」になってるけど、SPDは交換対象可能な1号通貨を、ビットコインとイーサリアムに限定してます。という言い分が通るかどうかは分からないけど、とにかく発行者による制限は設けているから、2号通貨ではないと思っていますよ。

になります。

ということで、ここで「ビットコインとイーサリアムについては交換可能」と書いてあるので、記事にある「譲渡できない」っていうのは、ちょっと言い過ぎになるんじゃないの?と思う次第です。

一般的な2号通貨にしても、取引場ではビットコインやイーサリアムという基軸通貨とのみ交換可能としているケースが殆どです。そうでもしなけりゃ、仮想通貨の分だけ組み合わせが出来てしまって市場になりません。

そんな中で業者が間に入ることで、ビットコインやイーサリアム以外の通貨も日本円で売買できるのが、コインチェックです。

ビットコイン取引高日本一の仮想通貨取引所 coincheck bitcoin

閑話休題、

ということで(実際に交換を引き受ける取引所があるかどうかはともかく)、ビットコインとイーサリアムとは交換可能だから、2号通貨ではないけど仮想通貨として売買するのは可能だよ、というSPD側の言い分には一定の理があります。

まあ、交換可能な1号通貨を限定しているから2号通貨じゃないっていう理屈は、ちょっと強引にひねり出してきれるなって感じはしますけど。

ともあれ、こうなると、後は「特定のコインとなら交換できる」という言い分が実際に実行できれば良いということになります。

ガクトコインは、譲渡を制限しているのか?

つまり問題になってくるのは②の方。

「運営は、SPDを買った人に譲渡を制限してくるのか?」

です。

売れる仕組みはあるけど、売らせない。

だと、ちょっと悪質感が出てきます。

そこを公式文書でどう書いているかというと、

「交換を希望する人がいても、約款でSPDの譲渡等を原則禁止とする制限が加えられている」ので、SPDは2号通貨じゃありません。

という言い方になっています。

うむ?

この部分は引っかかりますね。

買った人にSPDの譲渡等を原則禁止したら、仮想通貨の意味が半減します。更に「原則禁止ってなんだよ?」という疑問も残ります。

「原則禁止」なら、「応用許可」があるってこと?

なんだかんだ言って最終的に許可されるなら、売ればいいだけ。ならば、その原則とやらを確認しましょう。

と思って、SPDの約款なるものをググりましたが、発見できませんでした。そもそも、どこで買えるのかも分からない。

ので、ここは引き続きとさせて頂きます。



一応、現状の私見としては、

SPDの購入理由で求めるものが、「投機じゃなくて未来への投資が目的、そこから希望的な縛りとしての原則禁止をお願いしたい」なら、気持ちは理解できます。ホールド優先はバフェットも言ってることですし。

金儲けだけが目的の人ではなく、SPDに共感する人だけ入ってきて欲しいという事であれば、理解できるということです。

GACKT自身が、大衆に売れる音楽ではなく、自分のやりたい音楽を受け入れてくれる人(=審美眼のある玄人)のために音楽を創りたいとも言っているので、同じく、仮想通貨に対して流行り乗って来る人は歓迎しない、なんて事を考えてもおかしくないのかな、とは思っています。

しかし実効力のある規制として押し付けるとしたら、それは問題であると思います。

また「交換可能」というのが取引所ではなく、運営側の社内でのみ可能ということになると、自由市場ではない承認制となりますので、やはりちょっと違うんじゃないかと

ただ、素人はお断りするから「騙された!被害だー」なんて言い出す人は入ってこないから大丈夫と言いつつ、肝心の玄人筋から疑問や否定が上がってくるようでは、この時点でやや行き詰まっている感はいたします。


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